《当サイト管理者から》
 2007年4月統一地方選挙にあたって、革共同は、東京・杉並区において北島邦彦氏を推し立てて、この選挙戦を「労働運動で革命をやろう」という新しいスローガンの最初の本格的な実践として取り組んだ。それは、当時現職区議会議員であった結柴誠一氏と新城節子氏を「徹底的に打倒する」ことを宣言するものであった。両氏を打倒することが「党の革命」の貫徹であるという非常に高い位置づけで、「全党の総オルグ団化」を呼号して、杉並区に全国動員をかけ、結柴・新城両氏打倒に全力をあげた。
 選挙戦の結果は、結柴氏3388票(第13位)、新城氏2215票(54票差の次点)、北島氏2568票(第38位)であった。新城氏は惜敗であったが、両氏を合わせた得票数5603票は、北島氏の得票数の2・18倍強にもなった。離党した党員とそれを支持した大衆(昨日までは都革新後援会員であった人々をはじめとする約5600人の区民たち)が党に反旗をひるがえして、その党を打ち負かしたのであった。
左翼運動史上に前例がないこの事態は、社会的規模での革共同の致命的な政治的敗北となった。〈たたかう大衆に敵対する革共同〉という構図は、これをもって以後、広く認識されていくこととなった。
なお、その4年後の2011年4月の杉並区議選では、新城氏が3477票(第10位)、結柴氏が3210票(第12位)の高位当選をはたし、他方、北島氏は現職でありながら1764票(53位)で当選ラインにはるかに及ばず落選した。革共同の歴史上も特筆されるべき政治的・組織的な惨敗であった。

統一地方選決戦の勝利かちとろう
階級的労働運動路線実践し杉並・北島必勝へ全力決起を
                  革共同・東京西部地区委員会

『前進』2287号(2007年3月19日 )

 統一地方選が、残り5週間に切迫した。西部地区党と東京都委員会は、4月22日の投票日に向けて、北島邦彦予定候補の当選・勝利をめざして全力で闘っている。必勝をかちとろう。

革命的議会主義の原点

 07年1・1アピールで打ち出された階級的労働運動路線は、今次統一地方選にかちぬかなければ真に確立できない。首都・東京での闘いは、改憲・戦争・民営化に突き進む安倍・石原・山田と真っ向から対決し打倒する決戦である。この闘いに勝利することをとおして、「労働運動で革命をやろう」ということの現実性が明らかになる。
 革共同第22回拡大全国委総会、1・1アピールをとおして、党は革命的議会主義・選挙闘争の根底的総括を行い、「これまでの選挙闘争の中で長期にわたってわれわれ自身の中に積み重ねられてきた、革命的議会主義についてのゆがんだ理解とその変質という痛苦な現実を克服し、原点に戻って再出発する」(1・1アピール)立場から今次統一地方選、とりわけ杉並区議選を闘い抜くことを確認してきた。
 革命的議会主義・選挙闘争を(われわれの闘いがすべてそうであるように)党と階級の階級的団結を打ち固め拡大していくために闘うというマルクス主義の立場に立って闘うということだ。
 3全総政治局報告は次のように述べている。「日々あくなくつづけられるブルジョア階級の搾取と圧制の実情を具体的に暴露し、ブルジョア的代議政治がこうした搾取と専制をおおいかくすイチジクの葉であることを糾弾するとともに、同時に、労働者の味方のような顔をしながら、そのじつブルジョア階級の搾取と専制に反逆するプロレタリア大衆の闘争を抑圧し、ブルジョア議会への『労働者』議員の進出がプロレタリア解放の道であるかのように欺瞞(ぎまん)するいっさいの『革新』政党を弾劾し、新しい革命的労働者党の創成の必要を訴えるための演壇として、選挙闘争を徹底的に利用する」
 この3全総路線、さらに「コミンテルン第2回大会で採択された共産党と議会に関するテーゼ」(1920年)を徹底的に踏まえ、「画然たる転換」をかけて選挙闘争を闘わなければならない。
 それは第一に、権力・資本と労働者階級の絶対的非和解性を、議会活動や選挙闘争において、街頭において、より広範に徹底的に暴ききることである。そのことをとおして、労働者自己解放―階級的労働運動の発展をかちとる闘いである。
 第二に、こうした闘いは、労働者階級の究極的解放の闘いを阻む「体制内労働運動との決別・打倒」の闘いと一体のものである。
 第三に、広範な労働者階級の怒りと結びつくことである。労働者階級の根底的な怒りを革命に向かって獲得するためには、革命的議会主義は不可欠である。そのことを鮮明にして闘うことだ。
 第四に、特にコミンテルンテーゼが、「帝国主義的暴力にたいする最も激烈な抗議の形態をとった議会闘争は、とりわけそれが議会外の行動と結びつけられるときには、大衆をめざめさせ、その抵抗をよびおこすための強力な手段となることができる」として、活動の「重心は議会外である」と強調していることを徹底的に実践しなくてはならない。
 その上で、「労働運動で革命をやろう」の実践にとって、首都・東京での闘いである点は決定的だ。それはコミンテルンテーゼの「ブルジョア議会を粉砕し、廃止し、その廃墟(はいきょ)のうえに新しい権力、労働者の階級的諸団体、すなわちソビエトの権力を組織しなければならない」という提起を貫く闘いだ。
 朝鮮侵略戦争が切迫する一方、プロレタリア世界革命が完全に日程に上った今日、レーニンが『第二インターナショナルの崩壊』で提起した革命党の三つの義務、すなわち@革命的情勢が現存することを大衆に明らかにし、Aプロレタリアートを革命的行動に移らせ、B革命的情勢に応ずる組織をつくり出す――ことを、選挙闘争において貫徹するのである。

2議員の敵対うち破り

昨秋来、西部地区党は、これまでの議会主義・選挙闘争のあり方をめぐり真剣で激しい討論を重ねてきた。その核心は「議会主義・議会活動の歪んだ理解と誤り、選挙闘争のあり方をめぐる根底的総括、党の出直しの問題」だった。「都政を革新する会」の結柴・新城両議員が討議の中で「党としての原則的な責任の取り方としての議員辞職」が俎上(そじょう)にのった途端に討議を拒否し逃亡したのだ。
 2人の議員の歪みや転向は、実に恐るべきものであった。「犯罪被害者等支援条例」賛成はその帰結だった。民営化への賛成という反労働者的対応を先端に、2議員は党の路線や階級の利害に背反する行動を積み重ねていた。これらは単にその時点での誤り、判断の間違いでは断じてない。
 これらはもとより党の指導が生み出したものであり、特に5月テーゼ以降の党指導部の中の意識的背反がこうした路線的歪みを主要につくり出したことを、痛苦の念をもって自己批判しなくてはならない。その結果、2議員の新指導路線(階級的労働運動路線)反対の立場を生み出し、彼らは反階級的なブルジョア議会主義への転落を深めてしまったのである。
 2議員の反動的転落と急速な反動的純化は、まさに「党の革命」反対の立場からの必然的結果だった(2人が「党の革命」直後から反対派を組織していたことが判明している)。
 今進行している事態は、2議員が結局は「党の革命」に反対し、階級的労働運動路線に敵対し、その立場から党への敵対と反党活動を行い、区民の中に分裂を持ち込み、昨年12月に都革新を離脱し、「無所属」を名乗り、「党から離れた」「過激派をやめた」「都革新、党に対決する」ことを売りものにして選挙闘争に踏み込んでいるという事実である。都革新の唯一の候補である北島候補を落選させることを目的に選挙活動を行おうというのだ。
 2人の議員の許しがたい反党活動と転向・敵対を徹底的に弾劾しなくてはならない。今こそ2人の打倒を徹底的に宣言し、「党の革命」の貫徹をかけ、階級的労働運動路線と1・1アピールをかけて、統一地方選勝利をかちとることを断固として確認したい。これは全党の不抜の団結の闘いである。その際に重要なのは、労働者(区民)の自己解放的決起として、2人の弾劾・打倒をかちとることである。

民営化阻止・山田打倒へ

 07年区議選をいかに闘うか。
 第一に北島候補の当選を必死で実現することである。
 われわれは、今回の区議選を戦争・改憲、民営化・労働者の団結破壊、生活破壊と全面的に対決する選挙戦として攻勢的に闘い、勝利しなくてはならない。安倍・石原・山田と徹底的に闘う選挙戦である。
 選挙戦過程が戦争・改憲攻撃との激突になる。それは、朝鮮侵略戦争の切迫、実際に戦争の準備をしている安倍政権に反撃し、改憲投票法案の成立を阻止する闘いである。また、資本の利潤追求を一切とする御手洗ビジョンと対決し、労働者を人間として扱わない社会のあり方を全面的に変えようと訴え、労働者こそ社会の主人公だと訴え共感をかちとり、闘いを呼びかけていく選挙戦として闘う。戦争でしか生き延びることができない今の社会をひっくりかえそう、「労働運動で革命をやろう」と真っ向から訴える選挙戦である。
 第二に、西部地区党と都委員会は、これまでの選挙戦からの「画然たる転換」をかけ、勝利をめざして闘っている。何よりも全党総決起で全地区党同志が選挙の配置につき闘うあり方を懸命に創出し、「オルグ団」選挙から全党の「オルグ団」化への転換をめざして闘っている。核心は、選挙闘争に総決起することで団結を固め、団結を拡大していくことにある。
 第三に、階級的労働運動路線の実践として闘うことである。とりわけ「杉並区・丸ごと民営化」攻撃との全面的な激突を選挙戦の最大の争点に押し上げ、大衆運動としての爆発を実現していくことである。
 杉並・山田が民営化攻撃の先兵となって打ち出している全事業の民営化方針(「杉並行政サービス民間事業化提案制度(仮称)」)は、区で働く全労働者(正規・非正規)の大量首切りであり、低賃金・強労働に落とし込む攻撃であり、同時に住民の福祉・生活を破壊する攻撃である。全労働者の課題として必ずや大闘争に発展する。
 山田は「つくる会」教科書の採択や独自の教員養成の「師範館」を立ち上げた根っからの極右ファシストである。教育改革と民営化を掲げて労働者階級の闘いと団結の解体に向けて真っ向から突進しており、安倍・石原の手先そのものである。山田が、戦争・改憲、民営化・労組破壊、生活破壊の先頭に立っていることを暴露し、対決し、打倒することを徹底的に柱に据えて闘う。
 この闘いを選挙戦術という狭い枠で考えるのではなく、階級的労働運動路線の実践として年単位の闘いに位置づけ、闘いの高揚を切り開かなくてはならない。すでにこの闘いは開始され、怒りと闘いを求める多くの叫びが上がっている。
 第四に、大増税(消費税値上げ)、生活破壊、福祉・介護切り捨て政策と徹底的に対決し、「労働者が中心の社会を新たにつくろう」と訴える選挙戦である。労働者区民自身の自己解放的決起と一体となり、その怒りを組織し、代行主義ではなく労働者自身の決起と議員が一体となって闘うあり方をつくり出す選挙戦である。このことを再度、明確にしたい。
 第五に、07年3月大行動―3・18全世界一斉デモの爆発なしに4月選挙闘争の前進も勝利もない。「3・11 本気で春闘/世の中変えよう!西部春闘行動」(130名の集会・デモ)の成功に続き、3・18日比谷に総決起し、その大爆発を実現し、その熱気と大流動の中で4月区議選を白熱的に闘って、勝利をこの手につかもうではないか。ともに闘おう。
 階級的労働運動路線の実践として、統一地方選の勝利をかちとろう。

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